65歳女性 ぎっくり腰の改善症例(加齢に伴う筋力低下、日常生活動作の偏り、散歩による腰への負担)

主訴

2023年11月、庭の植木鉢を持ち上げた際に急激な腰痛に襲われた、と来院されました。

  • 腰全体がズキズキと痛み、特に寝返りや立ち上がる際に激痛が走る
  • 加齢に伴い、筋力低下を感じていた
  • 趣味の散歩で、長時間歩くことが多かった
  • 日常生活動作で、腰に負担がかかる姿勢が多かった

目標は、趣味の散歩を再開すること、孫と公園で遊ぶこと、旅行することでした。

ぎっくり腰のイラスト

初回施術

施術の写真

腰の炎症と筋肉の緊張を確認しましたので、

  1. 患部を安静にするための処置(アイシング、安静保持)
  2. 鎮痛作用のある手技療法(軽擦法、軽圧迫法)
  3. 患部の冷却と圧迫(冷却パック、弾性包帯)
  4. 患部の冷却、圧迫
  5. 痛みの少ない姿勢での安静指導
  6. 腰の緊張緩和、鎮痛作用のある鍼施術
  7. 温灸による血行促進

を行いました。

施術後、痛みが少し和らいだとのことです。

2回目の施術(1日後)

炎症が落ち着き、痛みが軽減してきたことを確認しましたので、

  1. 腰の筋肉の緊張を緩和する手技療法(軽擦法、軽圧迫法、ストレッチ)
  2. 骨盤、脊椎の歪み調整(骨盤の可動域訓練、脊椎のモビライゼーション)
  3. 痛みの少ない範囲でのストレッチ指導(膝抱え、腰回し)
  4. 日常生活動作の改善指導(立ち上がり方、寝返り方、荷物の持ち方)
  5. 腰、臀部の筋肉の緊張緩和、血行促進を目的とした鍼施術
  6. 電気鍼による筋肉刺激、温灸による深部温熱

を行いました。

3回目の施術(2日後)

痛みがさらに軽減し、日常生活での動作が少し楽になったことを確認しましたので、

  1. 全身のバランスを整える骨盤、脊椎調整(骨盤の安定化訓練、脊椎のモビライゼーション)
  2. 腰周囲の筋力トレーニング
  3. 散歩中の姿勢、ストレッチの指導
  4. 腰、下肢の血行促進や筋力向上を目的とした鍼施術
  5. 低周波治療器による筋肉刺激、灸頭鍼による温熱刺激

を行いました。

1か月後

日常生活での痛みが軽減し、軽い散歩ができるようになったことを確認しましたので、

  1. 運動療法(ウォーキング、水中ウォーキング)
  2. 骨盤中心に全身の骨格調整(トムソンベッド)
  3. 強度を上げた腰周囲の筋力トレーニング
  4. 散歩コースの見直し、休憩場所の選定指導
  5. 全身のバランス調整、筋力向上、疲労回復を目的とした鍼施術、電気鍼

を行いました。

2か月後

散歩時の痛みも軽減し、距離を伸ばせるようになったことを確認しましたので、

  1. 運動療法(散歩、軽い体操)
  2. バリエーションを増やした腰周囲の筋力トレーニング(バランスボール、チューブトレーニング)
  3. 散歩動作の指導、歩行姿勢のチェック
  4. 鍼灸施術
  5. セルフケア指導(ツボ押し、温灸)

を行いました。

3か月後

以前のように散歩を楽しめるようになった上に、お孫さんとの公園、旅行も達成することができたとのことです。
腰痛の再発は認められませんでした。
運動療法、筋力トレーニング、セルフケア、メンテナンスを目的とした鍼灸、体調管理指導を継続中です。

考察

カウンセリング写真

今回の症例は、加齢に伴う筋力低下、日常生活動作の偏り、趣味の散歩による腰への負担が重なり、ぎっくり腰を発症したと考えられます。

急性期の適切な処置、リハビリ、鍼灸、セルフケア、生活習慣の指導により、3か月で趣味の散歩を再開できるまでに回復しました。
発症初期の安静、鎮痛、炎症抑制が早期回復に大きく貢献したと考えています。

リハビリでは、痛みの軽減だけでなく、可動域改善、筋力強化、日常生活動作や散歩動作の改善にも重点を置いたプログラムを提供しました。

再発予防のためのセルフケア指導により、長期的な健康維持が可能となりました。

ポイント

ご年配の方のぎっくり腰は、加齢に伴うさまざまな要因が折り重なって発症することが多いです。
適切な施術とリハビリ、生活習慣の指導により、早期回復と日常生活動作の改善が期待できます。
急性期には、安静、鎮痛、炎症の抑制が特に重要です。

リハビリでは、痛みの軽減だけでなく、可動域改善、筋力強化、動作の改善など、生活習慣に合わせたプログラムが重要となります。

再発を防ぐためには、日頃から腰に負担のかからない生活習慣、適度な運動、セルフケアを心がけることが大切です。

もしぎっくり腰でお困りの際は、医療機関を受診し、的確な診断と治療を受けてみてください。

こころ接骨鍼灸マッサージ院 草薙院