主訴
2024年6月頃に来院されました。
半年前から続く右肩から腕にかけての痛みと、最近では右手の親指・人差し指周囲のしびれを自覚するようになったとのこと。特に商品陳列や接客で腕を上げる動作を続けると症状が強くなり、夜間にも痛みで目が覚めることがあるそうです。
販売業として長時間の立ち仕事に従事しており、商品陳列や在庫整理などで腕を挙上する動作が多い状況。慢性的な肩こりは以前からあったものの数か月前より右肩から上腕にかけての痛みが強くなり、最近では手指のしびれも出現。特に長時間の作業後や就寝時に症状が悪化していました。
症状が改善したらしたい事:
- 仕事中に腕を上げても痛みやしびれが出ないようにしたい
- 夜間の痛みで目が覚めないようにしたい
- 日常生活を支障なく送りたい
- 趣味の買い物や外出を快適に楽しみたい
初回施術
右肩関節周囲の筋緊張が著明で、肩関節外転・挙上での痛みとしびれの誘発、頚肩部から上腕外側にかけての圧痛、巻き肩・猫背傾向を確認しましたので、
- 腕の使いすぎを避ける生活指導
- 肩関節周囲の血流改善を目的とした手技療法
- 頚肩部および上肢の筋緊張緩和を目的とした鍼灸施術
- 肩甲骨・胸郭の可動域改善施術
- 就寝時の姿勢・枕の高さ指導
を行いました。
施術後、肩の重さが軽減し、腕の動かしやすさが改善したとのことでした。
2回目の施術(1日後)
痛みとしびれは残存するものの、夜間痛はやや軽減していましたので、
- 肩〜上腕部の筋緊張を緩和する手技療法
- 鍼灸施術(局所:肩関節周囲・上腕外側・前腕部の筋緊張部位への刺鍼、遠隔:上肢の血流改善および自律神経調整を目的とした経穴への刺鍼)
- 肩甲骨の安定性改善調整
を行いました。
また、自宅で行える肩関節ストレッチ(振り子運動、壁歩き運動)をご指導し、長時間の腕挙上動作を避けるようご説明しました。
3回目の施術(2日後)
腕のしびれ頻度が減少し、日中の痛みも軽減傾向でしたので、
- 肩関節周囲の筋緊張緩和手技療法
- 鍼灸施術(頚肩部〜上肢中心、前回同様)
- 電気鍼による深部筋へのアプローチ
- 肩甲骨安定化エクササイズ
を行いました。
また、軽い筋力トレーニング(ゴムバンド運動、肩外旋トレーニング)をご指導し、作業時の姿勢と腕の使い方の見直しについてご説明しました。
1か月後
仕事後の肩の痛みやしびれが軽減し、夜間痛の頻度も減少したとのことでしたので、
- 軽い運動療法(ウォーキングなど)の継続
- 肩甲骨周囲筋のトレーニング強化
- ストレッチの継続
- 作業環境(作業高さ・腕の位置)の調整
についてご指導しました。
2か月後
長時間の作業でも症状が出にくくなり、日常生活での不快感も改善したとのことでしたので、
- 肩甲骨安定化トレーニングの継続
- 体幹トレーニングの導入
- 睡眠時の姿勢改善指導
についてご指導しました。
3か月後
右肩から上肢にかけての痛み・しびれはほとんど消失し、日常生活・仕事ともに支障がなくなりました。
夜間痛も消失し、安定した状態を維持されています。
再発予防のためのストレッチ継続、肩甲骨周囲の筋力トレーニング継続、作業姿勢の意識を維持されています。
考察
この症例では、長時間の腕の挙上動作や反復作業により肩関節周囲および頚肩部の筋緊張が増大し、神経圧迫や血流障害を引き起こしたことで上肢へのしびれ症状を呈したと考えられます。
初期より姿勢改善、負担軽減、鍼灸施術および手技療法を併用したことで、筋緊張の緩和と循環改善が得られ、症状の軽減につながりました。肩甲骨の安定性向上や段階的な運動療法により、再発予防と機能改善が促されました。
作業姿勢の改善とセルフケアの継続が、長期的な安定に重要であったと考えています。
ポイント
腕の反復使用や挙上動作は肩〜上肢のしびれの原因となることがあります。
肩甲骨の安定性低下は症状を悪化させる要因となるため、早期からの安定化トレーニングが重要です。
鍼灸施術は筋緊張緩和・血流改善・神経負担軽減に有効であり、段階的な運動療法が再発予防に不可欠です。
仕事上の動作習慣をすぐに変えることは難しい場合も多いですが、作業環境の見直しとセルフケアの積み重ねが症状の安定につながります。





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こころ接骨鍼灸マッサージ院 草薙院でございます。