60代女性 変形性股関節症による歩行時痛・立位時痛改善症例(スーパー品出し業務による長時間立位・重量物運搬・中腰姿勢、股関節周囲筋緊張、骨盤アライメント不良)

主訴

2024年11月頃に来院されました。 1年半前より右股関節周囲に痛みを自覚しているとのこと。特に歩き始めや長時間立位後、階段昇降時に痛みが強く出現するようになったそうです。仕事中の品出し作業や中腰姿勢、方向転換時にも痛みを感じ、夕方には股関節周囲の重だるさと歩行時の違和感が強くなる状態でした。

スーパーでの品出し業務に従事されており、立位時間が長く重量物の運搬や中腰姿勢が多い環境で勤務していた状況。半年ほど前から症状が徐々に増悪し、最近では仕事後だけでなく買い物や家事など日常生活でも痛みを感じる頻度が増加していたとのこと。

整形外科にて画像検査を実施し変形性股関節症と診断、保存療法を継続していましたが疼痛軽減と歩行機能改善を目的にご来院されました。

症状が改善したらしたい事:

  • 歩き始めの痛みを軽減したい
  • 長時間立って仕事を続けたい
  • 階段昇降を楽にしたい
  • 趣味の買い物や外出を楽しみたい
変形性股関節症

初回施術

施術の写真

右股関節前面〜外側の圧痛、股関節屈曲・内旋可動域低下、中殿筋・大腿筋膜張筋・腸腰筋の筋緊張、片脚立位の不安定、歩行時右立脚期の疼痛増強、骨盤周囲のアライメント不良を確認しましたので、

  1. 股関節周囲筋の手技療法
  2. 臀部・股関節周囲への鍼灸施術
  3. 骨盤・股関節可動域改善アプローチ
  4. 荷重負担軽減指導
  5. 日常生活動作指導

を行いました。
施術後、股関節周囲の重だるさが軽減し、歩行時の違和感がやや改善したとのことでした。

2回目の施術(5日後)

歩き始めの痛みは残存するものの、立位時の重だるさは軽減傾向でしたので、

  1. 股関節周囲筋緊張緩和手技療法
  2. 鍼灸施術(局所:臀部・股関節周囲・大腿外側への刺鍼、遠隔:循環改善・疼痛緩和を目的とした経穴への施術)
  3. 股関節可動域改善

を行いました。

また、股関節ストレッチ、臀筋エクササイズ、長時間同姿勢の回避についてご指導しました。

3回目の施術(10日後)

歩行時痛が軽減し、仕事中の移動が以前より楽になったとのことでしたので、

  1. 股関節・臀部手技療法
  2. 鍼灸施術
  3. 電気鍼による深部筋アプローチ
  4. 骨盤安定化エクササイズ

を行いました。

また、中殿筋トレーニング、体幹安定化訓練、作業前後のストレッチについてご指導しました。

1か月後

歩き始めの痛みは軽減し、仕事中の負担感も減少したとのことでしたので、

  1. 股関節柔軟性改善の継続
  2. 臀筋強化の継続
  3. 疲労管理

についてご指導しました。

2か月後

長時間立位時の痛みが大きく軽減したとのことでしたので、

  1. 骨盤安定化トレーニング
  2. 歩行フォームの改善
  3. セルフケアの継続

についてご指導しました。

3か月後

日常生活および仕事への支障は大幅に改善されました。
歩き始めの痛みや立位時の重だるさが軽減し、買い物や外出も以前より楽に楽しめるようになったとのことです。
股関節ストレッチの継続、適度な運動習慣、負担管理を維持されています。

考察

カウンセリング写真

この症例では、長期間の立位作業や重量物運搬により股関節への機械的負荷が蓄積し、股関節周囲筋の緊張や可動域制限が生じ、変形性股関節症症状の増悪につながったと考えられます。

初期から股関節周囲筋の柔軟性改善、疼痛軽減、骨盤・股関節機能改善を目的とした施術を実施し、生活指導や運動療法を併用することで症状の改善が認められました。鍼灸施術は筋緊張緩和や局所循環改善に寄与し、疼痛軽減と機能改善の一助となりました。

なお、本症例は進行度評価が重要なため、整形外科との併用管理のもとで施術を実施しました。

ポイント

変形性股関節症では歩き始めや立ち上がり時の痛みが多くみられ、長時間の立位や重量物作業が症状の増悪要因となります。
股関節周囲筋の柔軟性低下は症状悪化につながるため、早期からのケアが重要です。
鍼灸と運動療法の併用は筋緊張緩和と機能改善に有効であり、セルフケアの継続が再発予防の鍵となります。

こころ接骨鍼灸マッサージ院 草薙院