主訴
2025年2月頃に来院されました。 2週間前から左耳の聞こえづらさを自覚しているとのこと。特に利用者との会話や周囲が騒がしい環境で聞き取りにくさを感じるようになったそうです。同時に耳鳴り(ジーという低い音)と耳閉感を伴い、「耳に膜が張った感じ」が続いていました。仕事終わりや疲労が強い日に症状が悪化する傾向がありました。
介護施設勤務で日常的に立位・移動介助が多く身体的負担が強い環境にあり、夜勤も含め不規則な勤務が続いていた状況。数か月前から首肩こりや睡眠の質低下を自覚されており、発症前は人員不足による業務負担増加があり疲労感とストレスが強い状態が続いていたとのこと。
耳鼻科を受診し聴力検査を実施したところ経過観察となりましたが、耳の違和感や聞こえづらさが継続するためご来院されました。
症状が改善したらしたい事:
- 耳の詰まり感を改善したい
- 利用者との会話を聞き取りやすくしたい
- 耳鳴りを軽減したい
- 仕事中の不安をなくしたい
初回施術
左耳周囲の違和感、胸鎖乳突筋・僧帽筋・咬筋の緊張、頸部可動域制限、後頭下筋群の緊張、睡眠不足傾向、自律神経疲労所見を確認しましたので、
- 頸肩部・後頭部への手技療法
- 耳周囲・頸肩部への鍼灸施術
- 循環改善・自律神経調整を目的とした経穴施術
- 呼吸調整アプローチ
- 睡眠指導
を行いました。
施術後、首肩周囲の軽さを実感し、耳の圧迫感がやや軽減したとのことでした。
2回目の施術(4日後)
耳閉感はやや軽減し、耳鳴りは残存するものの会話が少し聞き取りやすくなったとのことでしたので、
- 頸肩部筋緊張緩和手技療法
- 鍼灸施術(局所:耳周囲・側頭部・後頭部への刺鍼、遠隔:自律神経調整・循環改善を目的とした経穴への施術)
- 胸郭・頸部可動域改善
を行いました。
また、首肩ストレッチ、深呼吸、就寝前のスマートフォン使用時間の調整についてご指導しました。
3回目の施術(1週間後)
耳鳴りの頻度が減少し、聞こえづらさも改善傾向でしたので、
- 頸肩部手技療法
- 鍼灸施術
- 電気鍼による深部筋アプローチ
- 自律神経調整施術
を行いました。
また、姿勢改善、勤務中の小休憩の取り方、セルフケアの継続についてご説明しました。
1か月後
耳閉感は大幅に軽減し、聞き取りも改善したとのことでしたので、
- 睡眠確保
- 首肩ストレッチの継続
- 疲労管理
についてご指導しました。
2か月後
仕事中の聞こえづらさはほぼ消失したとのことでしたので、
- 姿勢維持
- ストレスコントロール
- セルフケアの継続
についてご指導しました。
3か月後
耳鳴り・聞こえづらさともに消失し、日常生活・業務とも問題なく経過しています。
安定した状態が続いており、仕事中の不安もなく過ごせるようになったとのことです。
睡眠管理、首肩ストレッチの継続、疲労蓄積予防を維持されています。
考察
この症例では、夜勤を含む不規則勤務、慢性的疲労、首肩筋緊張および自律神経への負担が背景となり、耳周囲の循環不良や自律神経機能の乱れが症状に影響した可能性が考えられます。
頸肩部筋緊張緩和、自律神経調整、局所循環改善を目的に施術を実施し、生活習慣指導を併用することで症状の改善につながりました。
鍼灸施術は循環改善と自律神経調整に寄与し、症状軽減と再発予防に有効であったと考えられます。
なお、本症例は難聴症状の原因精査が重要なため、医療機関受診と併用しながら施術を行いました。
ポイント
夜勤・慢性疲労・ストレスは耳症状の悪化要因になり得ます。首肩の緊張は耳周囲の循環に影響する場合があるため、頸肩部のケアも重要な施術要素となります。
鍼灸は循環改善と自律神経調整に有効であり、十分な睡眠の確保とセルフケアの継続が回復と再発予防の鍵となります。





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