主訴
2025年4月頃に来院されました。 1か月前より右耳の聞こえづらさを自覚しているとのこと。特に電話での会話や複数人での会話時に聞き取りにくさを感じるようになったそうです。また「耳が詰まった感じ」「耳鳴り(キーンという高音)」を伴い、夕方や仕事後に症状が強くなる傾向がありました。
営業職として長時間のデスクワークや車移動が多く、慢性的な疲労と睡眠不足が続いていた状況。発症前は業務多忙によるストレスが強く、首肩のこりや頭痛も頻繁に感じていたとのこと。
耳鼻科を受診し検査を実施したところ器質的異常は認められず経過観察となりましたが、聞こえづらさと耳鳴りが改善しないためご来院されました。
症状が改善したらしたい事:
- 耳の詰まり感をなくしたい
- 会話をストレスなく聞き取れるようになりたい
- 耳鳴りを軽減したい
- 仕事に支障なく過ごしたい
初回施術
右耳周囲の違和感、胸鎖乳突筋・僧帽筋上部の著明な緊張、頸部可動域低下、後頭下筋群の過緊張、自律神経疲労傾向、睡眠の質低下を確認しましたので、
- 頸肩部・後頭部の手技療法
- 首肩周囲の筋緊張緩和を目的とした鍼灸施術
- 耳周囲および循環改善を目的とした経穴施術
- 自律神経調整アプローチ
- 睡眠・生活習慣指導
を行いました。
施術後、首肩周囲の重だるさが軽減し、耳の圧迫感がやや軽減したとのことでした。
2回目の施術(3日後)
耳鳴りは残存するものの、耳閉感はやや軽減。会話時の聞き取りが少し楽になったとのことでしたので、
- 頸肩部筋緊張緩和手技療法
- 鍼灸施術(局所:耳周囲・側頭部・後頭部への刺鍼、遠隔:循環改善・自律神経調整を目的とした経穴への施術)
- 頸椎・胸郭可動域改善
を行いました。
また、首肩ストレッチ、深呼吸・睡眠環境の改善、長時間スマートフォン使用の制限についてご指導しました。
3回目の施術(1週間後)
耳鳴りの頻度が減少し、聞こえづらさも改善傾向でしたので、
- 頸肩・後頭部手技療法
- 鍼灸施術
- 電気鍼による深部筋アプローチ
- 自律神経調整施術
を行いました。
また、姿勢改善、デスクワーク時の休憩指導、首肩セルフケアの継続についてご説明しました。
1か月後
耳鳴りは大幅に軽減し、会話中の聞き取りも改善したとのことでしたので、
- 首肩ストレッチの継続
- 睡眠時間の確保
- ストレス管理
についてご指導しました。
2か月後
仕事中の聞き取り不良はほぼ消失し、耳閉感もほとんど認められなくなったとのことでしたので、
- 姿勢維持トレーニング
- 疲労蓄積予防
- セルフケアの継続
についてご指導しました。
3か月後
聞こえづらさ・耳鳴りともにほぼ消失し、仕事や日常生活に支障なく過ごせるようになりました。
安定した状態が続いており、快適に業務をこなせるようになっています。
睡眠管理、首肩ストレッチの継続、疲労・ストレスのセルフマネジメントを維持されています。
考察
この症例では、慢性的な頸肩部筋緊張やストレス、自律神経機能の乱れにより耳周囲の循環不良が生じ、難聴様症状および耳鳴り・耳閉感が出現した可能性が考えられます。
初期より頸肩部の筋緊張緩和と循環改善、自律神経調整を目的とした施術を行い、並行して生活習慣指導を実施したことで症状の改善が認められました。
鍼灸施術は局所循環改善および自律神経調整に寄与し、症状軽減と再発予防に有効であったと考えられます。
ポイント
難聴様症状は耳そのものだけでなく、首肩の筋緊張や慢性疲労が影響する場合があります。ストレスや睡眠不足は症状悪化の要因となるため、生活習慣全体の見直しが重要です。
鍼灸は筋緊張緩和・循環改善・自律神経調整に有効であり、首肩の姿勢管理とセルフケアの継続が再発予防の鍵となります。





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