主訴
2024年10月頃に来院されました。 4か月前より腰部から左臀部、左下腿外側にかけて痛みとしびれを自覚しているとのこと。特に長時間歩行時や立位作業中に症状が強く出現し、200〜300mほど歩くと左下肢のしびれと脱力感が出現するそうです。座位や前かがみ姿勢で休憩すると症状が軽減し、再び歩行可能となる状態を繰り返していました。
商業施設内の清掃業務に従事されており、日常的に長時間の歩行・立位作業・中腰姿勢での清掃動作が多い状況。以前から慢性的な腰痛はあったものの、休息すると改善していたため様子を見ていたとのこと。
徐々に下肢のしびれと歩行困難感が増加し、整形外科受診にてMRI検査を行い脊柱管狭窄症と診断されました。保存療法を継続していたものの、症状改善と歩行能力向上を目的にご来院されました。
症状が改善したらしたい事:
- 長時間歩けるようになりたい
- 仕事を無理なく続けたい
- 足のしびれを減らしたい
- 買い物を楽にしたい
初回施術
腰部〜左臀部の圧痛、腰椎伸展時の疼痛増強、左殿筋群・脊柱起立筋の過緊張、ハムストリングス・腸腰筋の柔軟性低下、前屈姿勢での症状軽減、歩行時の間欠性跛行を確認しましたので、
- 腰殿部・下肢への手技療法
- 腰部・臀部・下肢への鍼灸施術
- 骨盤・股関節可動域改善
- 歩行負担軽減指導
- 日常生活動作指導
を行いました。
施術後、腰臀部の張り感が軽減し、歩行時の下肢の重さがやや改善したとのことでした。
2回目の施術(1週間後)
しびれは残存するものの、歩行後の下肢疲労感は軽減傾向でしたので、
- 腰殿部筋緊張緩和手技療法
- 鍼灸施術(局所:腰部・臀部・下腿後面への刺鍼、遠隔:循環改善・疼痛緩和を目的とした経穴への施術)
- 骨盤・股関節可動域改善
を行いました。
また、腰臀部ストレッチ、下肢柔軟性改善体操、長時間立位の回避についてご指導しました。
3回目の施術(2週間後)
歩行距離の延長が認められ、仕事中の移動負担が軽減していましたので、
- 腰殿部手技療法
- 鍼灸施術
- 電気鍼による深部筋アプローチ
- 体幹安定化エクササイズ
を行いました。
また、骨盤体操、体幹トレーニング、作業前後のストレッチについてご指導しました。
1か月後
歩行時のしびれが軽減し、清掃業務が以前より楽になったとのことでしたので、
- 下肢柔軟性改善の継続
- 体幹トレーニングの継続
- 疲労管理
についてご指導しました。
2か月後
買い物時の歩行負担が軽減したとのことでしたので、
- 姿勢改善
- 無理のない運動の継続
- セルフケアの継続
についてご指導しました。
3か月後
歩行時のしびれは大幅に軽減し、仕事や日常生活への支障も改善されました。
安定した状態が続いており、日々の活動が以前より楽に行えるようになっています。
ストレッチの継続、長時間同姿勢の回避、適度な運動習慣を維持されています。
考察
この症例では、長期間の歩行・立位作業および中腰姿勢の反復により腰部負担が蓄積し、腰椎周囲筋の緊張増加と脊柱管狭窄症症状の増悪につながったと考えられます。
腰殿部・下肢の筋緊張緩和、骨盤機能改善、体幹安定化を目的とした施術を実施し、生活指導と併用することで歩行能力と症状の改善が得られました。鍼灸施術は筋緊張緩和と循環改善に寄与し、疼痛やしびれの軽減補助として有効でした。
なお、本症例は神経症状や進行度評価が重要なため、整形外科との併用管理のもとで施術を実施しました。
ポイント
脊柱管狭窄症による間欠性跛行は、歩行で症状が悪化し休憩で軽減するという特徴的なパターンを示します。前かがみ姿勢で楽になる傾向がみられることも多く、長時間の歩行・立位・中腰姿勢は症状の増悪要因となります。
鍼灸施術と運動療法の併用は筋緊張緩和と機能改善に有効であり、セルフケアの継続が再発予防の鍵となります。





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