70代男性 脊柱管狭窄症による間欠性跛行・下肢しびれ改善症例(退職後の家庭菜園、長時間の中腰姿勢、加齢変化による腰部負担の蓄積)

主訴

2024年6月頃に来院されました。 6か月前より腰部から右臀部、右下肢にかけて痛みとしびれを自覚しているとのこと。特に長時間歩行時に症状が強く出現し、100〜200m程度歩くと下肢のしびれと重だるさが増強するそうです。少し前かがみ姿勢で休憩すると症状が軽減し、再度歩行可能となる状態を繰り返していました。

退職後は家庭菜園を趣味とされており、畑作業や長時間の中腰姿勢を行うことが多い状況。数年前から腰痛は自覚していたものの休息で改善していたため様子を見ていたとのこと。徐々に歩行時の下肢症状が増加し、整形外科受診にてMRI検査を行い、脊柱管狭窄症と診断されました。保存療法を継続していたものの、歩行能力の改善と疼痛軽減を目的にご来院されました。

症状が改善したらしたい事:

  • 長距離を休まず歩けるようになりたい
  • 家庭菜園を無理なく続けたい
  • 買い物を楽にしたい
  • 足のしびれを減らしたい
脊柱管狭窄症

初回施術

施術の写真

腰部〜右臀部の圧痛、腰椎伸展時の疼痛増強、右殿筋群・脊柱起立筋の過緊張、ハムストリングスの柔軟性低下、前屈姿勢での症状軽減、歩行時の間欠性跛行を確認しましたので、

  1. 腰殿部・下肢への手技療法
  2. 腰部・臀部・下肢への鍼灸施術
  3. 骨盤・腰椎周囲可動域改善
  4. 歩行負担軽減指導
  5. 日常生活動作指導

を行いました。
施術後、腰殿部の張り感が軽減し、歩行時の重だるさがやや改善したとのことでした。

2回目の施術(5日後)

しびれは残存するものの、歩行後の重だるさは軽減傾向でしたので、

  1. 腰殿部筋緊張緩和手技療法
  2. 鍼灸施術(局所:腰部・臀部・下肢後面への刺鍼、遠隔:循環改善・疼痛緩和を目的とした経穴への施術)
  3. 骨盤・股関節可動域改善

を行いました。

また、腰臀部ストレッチ、下肢柔軟性改善体操、長時間立位の回避についてご指導しました。

3回目の施術(2週間後)

歩行距離が延長し、以前より休憩回数が減少していましたので、

  1. 腰殿部手技療法
  2. 鍼灸施術
  3. 電気鍼による深部筋アプローチ
  4. 体幹安定化エクササイズ

を行いました。

また、骨盤体操、体幹トレーニング、作業前後のストレッチについてご指導しました。

1か月後

歩行距離の延長が認められ、家庭菜園作業も以前より楽になったとのことでしたので、

  1. 下肢柔軟性改善の継続
  2. 体幹トレーニングの継続
  3. 疲労管理

についてご指導しました。

2か月後

買い物時の歩行負担が軽減したとのことでしたので、

  1. 姿勢改善
  2. 無理のない運動の継続
  3. セルフケアの継続

についてご指導しました。

3か月後

歩行時のしびれは大幅に軽減し、家庭菜園も問題なく継続できるようになりました。
日常生活での支障も改善し、安定した状態が続いています。
ストレッチの継続、長時間同姿勢の回避、適度な運動習慣を維持されています。

考察

カウンセリング写真

この症例では、加齢変化に加え、長期間の腰部負担や中腰姿勢の反復により腰部周囲筋の緊張と腰椎への負荷が増加し、脊柱管狭窄症による神経症状が増悪したと考えられます。

腰殿部および下肢の筋緊張緩和、骨盤・体幹機能改善を目的としたアプローチを実施し、日常生活指導と併用することで症状の改善が認められました。鍼灸施術は筋緊張緩和と循環改善に寄与し、疼痛軽減および機能改善の補助として有効でした。

なお、本症例は症状の進行や神経学的評価が重要なため、整形外科との併用管理のもとで施術を実施しました。

ポイント

脊柱管狭窄症による間欠性跛行は、歩行で症状が悪化し前かがみの休憩で軽減するという特徴的なパターンを示します。長時間の立位や中腰姿勢は症状の増悪要因となるため、日常動作の見直しが重要です。鍼灸施術と運動療法の併用は筋緊張緩和と機能改善に有効であり、セルフケアの継続が再発予防の鍵となります。

退職後の趣味や生活習慣を無理なく続けながら症状と上手に付き合っていくために、身体の状態に合わせた無理のないペースでのケアが大切です。

こころ接骨鍼灸マッサージ院 草薙院