主訴
2020年11月に、「1ヶ月前から左の首から肩、背中にかけて痛みと重だるさがある」とご来院されました。
時々、左腕から指先にかけて痺れも感じるとのこと。特に長時間立って授業をした後や、下を向いて作業(教材準備など)をした後に症状が悪化するそうです。
小学校教員として、授業中や教材準備などで長時間同じ姿勢をとることが多いとのこと。以前から肩こりを感じやすい自覚があったそうです。
症状が改善したらしたい事:
- 首、肩、背中の痛み・重だるさをなくし授業に集中したい
- 左腕や指先の痺れを感じないようにしたい
- 首の動きを良くし、日常生活の不快感をなくしたい
- 仕事中や自宅でできる簡単なストレッチや体操を知りたい

初回施術(発症から1ヶ月)

左の頚部から肩、背部にかけて押した痛みと筋肉の強い緊張を確認。首を後ろや左に動かすと症状が悪化しました。
神経症状(腕への放散痛)も訴えがあり、首の動きも制限されていました。
- 無理のない範囲での安静を説明
- 仕事中の姿勢指導、こまめな休憩の重要性を説明
- 首、肩、背中の筋肉の緊張を緩和する優しい手技療法
を行いました。
施術後、首や肩周りの重だるさが少し軽減したように感じるとのことでした。
2回目の施術(2日後)
痛みや重だるさはまだあるものの、左腕の痺れを感じる頻度が減ってきたとのことでしたので、
- 仕事中の姿勢などを確認
- 首、肩、背中の筋肉の緊張を緩める穏やかな手技療法
- 鍼灸施術(局所・遠隔のツボを使用し、鎮痛、筋弛緩、神経症状緩和目的)
- 自宅や仕事の合間でできる簡単なストレッチと温熱療法(ホットパックなど)の指導
を行いました。
3回目の施術(4日後)
首、肩、背中の痛み、重だるさがさらに軽減してきたとのことでしたので、
- 首、肩、背中の筋肉の緊張を緩める穏やかな手技療法
- 鍼灸施術(前回同様の方針で実施)
- 首の可動域を広げる軽い運動療法の指導
- 授業中の姿勢の注意点、教材の持ち方などの工夫を提案
を行いました。
1週間後
日常生活での痛み、重だるさが軽減し、左腕の痺れもほとんど感じなくなったとのことでしたので、
- 首、肩、背中への手技療法に加え、肩甲骨周りの動きを改善する手技療法
- 鍼灸施術(症状に合わせ実施)
- 首、肩周りの軽い筋力トレーニングの指導
- ストレッチ、運動療法の継続指導
を行いました。
2週間後
首、肩、背中の痛み、重だるさはかなり軽減し、仕事中の不快感も減ってきました。首の動きも改善傾向です。
- 首、肩、背中への手技療法に加え、全身のバランス調整
- 鍼灸施術(症状に合わせ実施)
- 仕事中の正しい姿勢、こまめな休憩とストレッチの重要性を再確認
- 教材の持ち運び方などの工夫を指導
を行いました。
1ヶ月後
首、肩、背中の痛み、重だるさはほとんどなくなり、仕事も支障なく行えるように。左腕の痺れもありません。
首の動きもほぼ正常になりました。
- 再発予防のための姿勢指導、ストレッチ、軽い筋力トレーニングの指導
- 仕事中に行える簡単な体操の指導
- 定期的なセルフチェックの推奨
を行いました。
考察

本症例は、小学校教員という職業柄、長時間の同一姿勢や下向き作業による頚椎への負担が主な原因となり、頚椎ヘルニアに伴う神経症状を発症したと考えられます。(以前からの肩こりも影響した可能性も)
初期の姿勢指導や休息の重要性の説明に加え、早期からの鍼灸・手技による施術、段階的な運動療法により、比較的早期に症状が改善しました。
施術では、首・肩周りの緊張緩和に加え、肩甲骨の動きや全身バランスも考慮しています。
姿勢指導、作業方法の改善、セルフケア(ストレッチ、筋トレ、体操)の実践が、症状改善と再発予防に重要な役割を果たしました。
ポイント
頚椎ヘルニアは、教員など特定の職業における不良姿勢や長時間の同一体位が大きな要因となることがあります。
初期は無理のない範囲での安静と、姿勢改善が重要です。
鍼灸施術は、痛み・痺れ・筋肉の緊張緩和に役立ち、手技療法は、首・肩・背中の筋肉を緩め、関節の動きを改善する作用が期待できます。
段階的な運動療法(ストレッチ、筋トレ)は、可動域改善と再発予防に不可欠。
仕事中の姿勢、作業方法の見直し、こまめな休憩とストレッチ、簡単な体操の実施も非常に重要です。
首、肩、背中の痛みや腕の痺れでお困りの方は、自己判断せず、早期に専門機関(接骨院、鍼灸院など)で適切な診断と施術、生活指導を受けましょう。
お電話ありがとうございます、
こころ接骨鍼灸マッサージ院 草薙院でございます。