主訴
2023年7月に来院されました。
数ヶ月前から続く右足裏、特に踵から土踏まずにかけて痛みがあるとのこと。
安静にしていると痛みは軽減しますが、朝起きた時やイスから立ち上がった際に強い痛みを感じ、運動後や長時間の立ち仕事で痛みが悪化するとお悩みでした。
また、最近、体重の増加が気になっているとのことでした。
症状が改善したらしたい事:
- ゴルフやウォーキングを痛みなく楽しめるようになりたい
- 立ち上がりや歩き始めの痛みをなくしたい
- 健康維持のための運動を継続したい

初回施術

右足底(特に踵骨内側前方から土踏まずにかけて)の圧痛、足関節の背屈可動域に軽度の制限、下腿三頭筋(ふくらはぎ)の強い緊張を確認しましたので、
- 安静の重要性を説明(運動量の調整を検討)
- 炎症抑制のアイシング指導
- 足底への負担を軽減するインソールの使用を提案
- 下腿三頭筋の緊張を緩和する優しい手技療法
を行いました。
施術後、痛みがわずかに軽減したように感じたとのことでした。
2回目の施術(1日後)
朝の痛みや立ち上がりの痛みは依然としてあるものの、日中の痛みは幾分軽減してきたとのことでしたので、
- 下腿三頭筋、足底筋膜の緊張を緩める穏やかな手技療法
- 全身のバランス調整、鎮痛、血行促進、炎症抑制が目的の鍼灸施術
- 簡単なストレッチの指導(アキレス腱伸ばし、足底筋膜伸ばしなど)
- 温熱療法の指導(足浴など)
- 靴の選び方、運動前のウォーミングアップの重要性を説明
を行いました。
3回目の施術(2日後)
朝の痛みや立ち上がりの痛みが以前より少し軽減し、ゴルフ後の痛みも和らいできたとのことでしたので、
- 下腿三頭筋、足底筋膜の緊張を緩める穏やかな手技療法
- 全身のバランス調整、鎮痛、血行促進、炎症抑制が目的の鍼灸施術
- 足関節の可動域を広げる軽い運動療法(足首の背屈・底屈運動、内外反運動など)
- 運動後のクールダウンの重要性、体重管理の重要性を説明
を行いました。
1か月後
日常生活での痛みは軽減し、ゴルフやウォーキングも以前より楽しめるように。
しかし、長時間の運動後にはまだ痛みを感じるとのことでしたので、
- 下腿三頭筋、足底の筋トレ(カーフレイズ、タオルギャザーなど)
- ストレッチ
- インソールの使用、運動前後のケア、体重管理の提案
を行いました。
2か月後
長時間の運動後の痛みも軽減し、運動の距離や時間を少しずつ伸ばせるようになってきたとのことでしたので、
- 下腿三頭筋、足底の筋トレのバリエーションを増やす(階段を利用したカーフレイズなど)
- 運動時の注意点、適切な靴の選び方の指導
を行いました。
3か月後
日常生活、趣味の運動において痛みはほとんど気になくなり、血圧も安定しているとのことです。
引き続き再発予防のためのストレッチ、筋力トレーニング、インソールの使用を継続してもらいつつ、さらに、定期的なセルフチェックと体重管理を推奨いたしました。
考察

本症例は、運動量や体重の増加による足底への負担が主な原因となり、足底筋膜炎を発症したと考えられます。
初期には、運動量の調整による安静指導、アイシングに加え、早期から鍼灸施術と手技療法を併用することで、炎症の抑制、痛みの軽減、筋肉の緊張緩和を達成することができました。
鍼灸施術においては、局所の疼痛部位への直接的なアプローチと、下腿三頭筋の緊張緩和、全身のバランス調整を目的とした経穴選択により、総合的に不調を改善。既往歴の高血圧も考慮し、合わせて、全身の血行促進やリラックス作用のある施術も行っています。
リハビリとしては、痛みの程度に合わせた段階的な運動療法(ストレッチ、可動域訓練、筋力トレーニング)を指導。足底の機能回復が促され、運動再開へのサポートにも繋がっています。
長期的な症状の安定のためには、インソールの使用、適切な靴の選択、運動前後のケア、体重管理といった生活習慣の改善も不可欠でした。
ポイント
足底筋膜炎は、中高年層においては、運動習慣の変化や体重増加が要因となることがあります。(既往歴の考慮も重要)
早期改善のためには、運動量の調整による安静、冷却、足底への負担軽減が重要です。
鍼灸施術は、既往歴に配慮しつつ、鎮痛、消炎、血行促進、筋緊張の緩和が期待でき、また、手技療法は、下腿三頭筋や足底筋膜の緊張緩和、足関節の動きを滑らかにする作用が期待できます。
段階的な運動療法は、足底の機能回復と再発予防に不可欠です。
インソールの使用、適切な靴の選択、運動前後のケア、体重管理は、施術作用を高め、長期的な症状の安定に繋がります。
症状が改善した後も、セルフケア(ストレッチ、筋力トレーニング)を継続することで再発の予防が期待できるでしょう。
足裏の痛みでお困りの方は、自己判断せずに早期に専門機関(接骨院、鍼灸院など)を受診し、適切な診断と処置、職業生活における注意点などの指導を受けることが重要です。
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こころ接骨鍼灸マッサージ院 草薙院でございます。