主訴
2023年12月頃から、徐々に右肘の外側から前腕にかけて痛みが出始めました。
以前から介護士として従事しており、日常的に腕を使う作業が多いとのことです。
特に利用者の体を支える、移乗を介助する、体位変換を行うなどの動作で痛みが強くなります。
安静時の痛みはありませんが、肘の外側を押すと強い圧痛があります。
症状が改善したらしたい事:
- 痛みなくスムーズに利用者の介護をしたい
- 趣味の手芸を以前のように楽しみたい
- 日常生活で肘の痛みを気にせず過ごしたい

初回施術

右肘の外側上顆周辺の圧痛、肘関節の可動域、前腕の回内・回外の動きを確認しましたので、
- 安静にするための指導
- 炎症を抑えるためのアイシング指導
- 手技療法(前腕伸筋群を中心とした筋肉の緊張緩和)
を行い、さらに、肘の過度な使用を避けるよう指導し、仕事の内容を可能な範囲で調整することを勧めました。
施術後、肘の痛みがわずかに軽減したように感じるとのことでした。
2回目の施術(2日後)
肘の痛みはまだあるものの、日常生活での動作痛は少し軽減してきたとのことでしたので、
- 右肘の外側上顆周辺の緊張を緩和する手技療法
- 鎮痛、血行促進、炎症抑制が目的の鍼灸施術
- 自宅で行える簡単なストレッチ・温熱療法(温湿布など)の指導
- 仕事中の肘の使い方や負担を軽減する方法、介助方法に関する指導
を行いました。
3回目の施術(1週間後)
仕事以外の日常生活での痛みはかなり軽減してきましたが、肘の外側の圧痛はまだ残っているとのことでしたので、
- 右肘の外側上顆周辺の緊張を緩和する穏やかな手技療法
- 鎮痛、血行促進、腱の修復促進が目的の鍼灸施術
- 肘関節周囲の軽い運動療法指導(痛みのない範囲での屈伸運動など)
を行いました。合わせて、仕事再開に向けての注意点、身体に負担のかからない介助フォームの指導もしています。
1か月後
日常生活での肘の痛みはほとんどなくなり、仕事も軽い介助であれば痛みなくできるようになったとのことでしたので、
- 前腕伸筋群のストレッチ、軽い筋力トレーニング
- 仕事時のフォーム修正、介助方法の工夫
- 作業前後のウォーミングアップとクールダウンの重要性
の指導を行いました。
2か月後
以前のような仕事内容をほぼこなせるようになり、手芸の際の肘の痛みも軽減したとのことです。
前腕伸筋群を中心とした筋力トレーニングのバリエーションを増やし、仕事後のケア、再発予防のためのストレッチやトレーニングの継続を指導しました。
3か月後
仕事、趣味、日常生活において、肘の痛みはほとんど気にならなくなったとのことです。
再発予防のためのストレッチ、筋力トレーニング、介助フォームの意識を継続して行いつつ、定期的なセルフチェックを推奨しました。
考察

この症例では、介護士としての利用者の介助動作における肘の使いすぎが主な原因となり、右肘にテニス肘を発症したと考えられます。
発症初期には、安静や冷却、適切な施術に加え、肘への負担を軽減すること、セルフケアの実践、そして介助方法の改善が奏功し、3ヶ月で仕事を以前のようにこなせるまで回復しました。
早期に適切な対応を行い、継続的なリハビリ、介助フォームの改善、再発予防のためのトレーニングを続けることが、症状の改善と仕事の継続には重要であると示唆されました。
ポイント
テニス肘への対応として、まず重要なのは肘の安静、冷却、そして負担を軽減することです。
施術では、手技療法や鍼灸施術によって、痛みの原因となる前腕伸筋群を中心とした筋肉の緊張を丁寧に和らげ、血行を促進することで、鎮痛と炎症の抑制を図ります。
また、肘関節周囲に対しては、優しい運動療法やストレッチ指導を行い、失われた可動域の改善を目指します。
仕事や日常生活における肘の適切な使い方や、介助フォームの指導、負担を軽減するための福祉用具の活用なども欠かせません。
さらに、お客様ご自身で行えるセルフケアとして、ストレッチや温熱療法などを具体的に指導します。
症状の改善度合いを慎重に評価しながら、段階的に運動療法や仕事への復帰をサポートしていくことが重要です。
必要に応じて、医療機関への受診を勧めることも視野に入れます。
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こころ接骨鍼灸マッサージ院 草薙院でございます。