40代男性 テニス肘の改善症例(建築作業による肘の使いすぎ)

主訴

2020年8月頃から徐々に右肘の外側から前腕にかけて痛みが出始めました。
特にハンマーで釘を打つ時、ノコギリで木を切る時、重い木材を持ち上げるなどの動作で痛みが強くなります。

安静時の痛みはありませんが、肘の外側を押すと強い圧痛があります。
以前から建築作業に従事しており、日常的に腕を使う作業が多いとのことです。

症状が改善したらしたい事:

  • 痛みなく建築作業をこなしたい
  • 趣味の木材加工を以前のように楽しみたい
  • 日常生活で肘の痛みを気にせず穏やかに過ごしたい
右肘の外側から前腕にかけて

初回施術

施術の写真

右肘の外側上顆周辺の圧痛、肘関節の可動域、前腕の回内・回外の動きを確認しましたので、

  1. 安静にするための指導
  2. 炎症を抑えるためのアイシング指導
  3. 手技療法(前腕伸筋群を中心とした筋肉の緊張緩和)

を行い、さらに、肘の過度な使用を避けるよう指導し、建築作業の内容を可能な範囲で調整することを勧めました。

施術後、肘の痛みがわずかに軽減したように感じるとのことでした。

2回目の施術(2日後)

肘の痛みはまだあるものの、日常生活での動作痛は少し軽減してきたとのことでしたので、

  1. 右肘の外側上顆周辺の緊張を緩和する手技療法
  2. 鎮痛、血行促進、炎症抑制が目的の鍼灸施術
  3. 自宅で行える簡単なストレッチ・温熱療法(温湿布など)の指導
  4. 仕事中の肘の使い方や負担を軽減する方法、道具の工夫に関する指導

を行いました。

3回目の施術(1週間後)

仕事以外の日常生活での痛みはかなり軽減してきましたが、肘の外側の圧痛はまだ残っているとのことでしたので、

  1. 右肘の外側上顆周辺の緊張を緩和する穏やかな手技療法
  2. 鎮痛、血行促進、腱の修復促進が目的の鍼灸施術
  3. 肘関節周囲の軽い運動療法指導(痛みのない範囲での屈伸運動など)

を行いました。合わせて、仕事再開に向けての注意点、身体に負担のかからない作業フォームの指導もしています。

1か月後

日常生活での肘の痛みはほとんどなくなり、建築作業も軽い作業であれば痛みなくできるようになったとのことでしたので、

  1. 前腕伸筋群のストレッチ、軽い筋力トレーニング
  2. 仕事時のフォーム修正、適切な道具の選択
  3. 作業前後のウォーミングアップとクールダウンの重要性

の指導を行いました。

2か月後

以前のように建築作業をほぼこなせるようになり、重い材料を持つ際の痛みも軽減したとのことです。

前腕伸筋群を中心とした筋力トレーニングのバリエーションを増やし、仕事後のケア、再発予防のためのストレッチやトレーニングの継続を指導しました。

3か月後

仕事、趣味、日常生活において、肘の痛みはほとんど気にならなくなったとのことです。
再発予防のためのストレッチ、筋力トレーニング、作業フォームの意識を継続して行いつつ、定期的なセルフチェックを推奨しました。

考察

カウンセリング写真

この症例では、建築作業による肘の使いすぎが主な原因となり、右肘にテニス肘を発症したと考えられます。

発症初期には、安静や冷却、適切な施術に加え、肘への負担を軽減すること、セルフケアの実践、そして作業方法の改善が奏功し、3ヶ月で建築作業を以前のようにこなせるまで回復しました。

早期に適切な対応を行い、継続的なリハビリ、作業フォームの改善、再発予防のためのトレーニングを続けることが、症状の改善と職業活動の継続には重要であると示唆されました。

ポイント

テニス肘への対応として、まず重要なのは肘の安静、冷却、そして負担を軽減することです。

施術では、手技療法や鍼灸施術によって、痛みの原因となる前腕伸筋群を中心とした筋肉の緊張を丁寧に和らげ、血行を促進することで鎮痛と炎症の抑制を図ります。

また、肘関節周囲に対しては、優しい運動療法やストレッチ指導を行い、失われた可動域の改善を目指します。
仕事や日常生活における肘の適切な使い方や、作業フォームの指導、負担を軽減するための道具の工夫なども欠かせません。

さらに、お客様ご自身で行えるセルフケアとして、ストレッチや温熱療法などを具体的に指導します。
症状の改善度合いを慎重に評価しながら、段階的に運動療法や仕事への復帰をサポートしていくことが重要です。

必要に応じて、医療機関への受診を勧めることも視野に入れます。

こころ接骨鍼灸マッサージ院 草薙院